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業者性MAN硬変

クランケは40台前半男性の方。
普段は、お仕事が忙しく、なかなか投資のことを考えることもないのだとか。
しかし、日本の低金利に嫌気がさして、数年前からオフショア投資に手を出されました。

細かい経緯は知りませんが、当救護センターには「PPBはじめたい」といったお話で来院。
ご縁あって、ポートフォリオ診断からスタートすることになりました。

現有ファンド拝見

クランケ>「海外投資は全部で3000万円ぐらいです。5種類に分散してます。今回追加投資も考えてます。これ以外に国内に預金があるので、当座の生活費や緊急手元資金は問題ありません。」

との事でしたので、まあ、現有のポートフォリオを拝見して、追加投資でリバランスすれば良いかなあと漠然と予想。
40台前半のバリバリですし、海外投資規模も十分PPBで運用できる額ですし、おまけに、当座の資金も確保されているということなので、まあ、なんら問題ないだろうと思っていました。

翌日、メールで、保有銘柄を拝見。

MAN AHL Diversified Plc  USD5万
MAN IP220 Ltd Series3   USD5万
MAN IP220 Plus Series2  USD5万
MAN AP Enhanst Ltd     USD5万
OM-IP220            AUD10万

げげっ、、、、、、MANばっかりじゃあないの。
うーん、確かに5種類に分散という言葉の「文法上」はそのとおりですが、、、、、

TONE>これって、どういう風にお選びになったんですか?
クランケ>前に付き合っていたIFAの方からのお勧めで、やはり分散投資しないとということで、、、、、
TONE>・・・・・・・・・・

診断

病名は「業者性MAN硬変」。
もうちょっと、病状を詳しく言うと、まったくといって良いほど分散されておらず、AHLと心中するポートフォリオです。

まず、一番上のMAN AHL はその名のとおり、AHLプログラムに100%投資するファンド。実績もあり、このファンド単体としては決して悪いファンドというわけではありません。(異論もありますが、ここでは、おいておきます。)
次のIP220Ltdは、運用の中核にMAN−AHLをおき、補完的に、Glenwoodを組み込んだもので、レバレッジを使ったり、プロフィットロックイン(元本逓増)方式とか、大手銀行による元本保証とか、お飾りがついているだけで、結局はAHLとおんなじ様なもの(お飾りがついている分パフォーマンスがよくなるとは思えない)。
IP220 Plusもほとんど変わりません。
AP Enhanst Ltdは多少違いはあります。株式ロング−ショートや裁定取引にも分散しています。
しかしながら、やはり、AHLにも投資すると目論見に書いてあるんですね。
OM-IP220は、最大レバレッジが160%で、AHL100%、Glenwood60%までを組み込むファンドです。

ここまでくればお分かりですね。
ほとんどの中身がAHLプログラムへの投資になっており、まったく分散なんかされていません。
3000万円ほとんどがAHLプログラムという先物売買プログラムに支配されているという、一点集中投資になってしまっています。
さらには、元本保証とかレバレッジドファンドなんかで表面上違う銘柄に分かれていますが、こんなややこしいことをして、コスト高のレバレッジドファンドを組み込むぐらいなら、AHL一本で勝負したほうがましといえます。

ご本人の、知識のなさもあるでしょうが、担当のIFAがかなりいい加減にファンドを推薦しています。
MANは手数料支払いもしっかりしていますし、そこらじゅうに下請け、孫請け業者がいますから、手数料稼ぎに狙われたかもしれません。
MANは海外投資初心者でも知っているというネームバリューで販売されることも多いです。
最初の入り口はそれでも良いかもしれませんが、そればっかりだとこんなことになってしまいます。

同じファンド会社のものや、同じような商品を固めて販売できれば、IFAのフィが有利になったりします。
2つの製品を50万ドルづつ販売するよりも、1つの製品を100万ドル販売してほうが、フィが優遇されるのです。
事務手続きひとつとっても、複数社の対応は非常に大変で、エージェント権を取るのも大変だし、各ファンド会社とのやり取りも当然増えていきます。
IFAの側のそういった事情もあるのですが、今回の例はあまりにも露骨な例です。

治療方針
「手術にて外科的治療」
残念ながら、ここまで病状が悪化すると、追加投資でリバランスといったような、内科的治療では限界があります。
実際には、まもなく満期を迎えるMAN IP220 Plus Series2を除いて、解約、組みなおしが必要でしょう。
MAN AHL Diversified Plc(略してADP)は、決して悪くないファンドなので、これも継続でも良いでしょう。(TONE個人の意見では、規模が大きくなりすぎてスリップを恐れて商品市場へのエキスポージャアが制限されるようなプログラムは敬遠しますが、特段悪いファンドというわけではない)
あとのファンドは、これ一本だけに投資という方にはありかもしれませんが、3000万円ものポートフォリオでは意味がありません。
3000万円もあれば、元本保証なんぞに頼るのではなく、それに近いようなポートフォリオを組むことが可能ですし、もともと、デリバティブを使っているヘッジファンドに対し、さらにレバレッジをかけるなんて金利や手数料の分だけ効率が悪いだけです。
その証拠に、結果的に今回の5種のファンドの中でADPが一番パフォーマンスがいいのです。

同じようなファンドばかり購入していませんか?
大手ファンド会社、元本保証の甘い言葉に惑わされていませんか?
ファンド運用の中身について確認していますか?

そのまま放っておくと、大変なことになりますよ。



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